就活生「ES盛って内定ゲットｗｗｗ」 企業「採用内容盛って優秀な学生ゲットｗｗｗ」
就活生サイド
就活生「ハァ～～……就活って憂鬱だなあ。内定とれるか不安だし、何したらいいんだろう。」
内定持ちキラキラ大学四年生（以下キラキラ大学生）「やあ！お困りのようだね！」
就活生「あ！！あなたは！！！『特に就活も苦労しなかったよ。まあ、大企業とかから何個か内定出たけどね（笑）』とか言ってる、優秀なキラキラ先輩！！！」
キラキラ大学生「ふふふ、就活のことでお困りのようだね？」
就活生「そうなんです！僕、大した実績もないし、面接で話せることもES（エントリーシート）に書けるようなこともしていないんですよ。どうしたらいいのかわからなくって……」
キラキラ大学生「そんなの、ほとんどの人が同じさ！」
就活生「え！？」
キラキラ大学生「ちょっと君の大学生生活をダイジェストで教えてよ」
就活生「えっと～～、第一志望に落ちて中堅私立大学の経営学部。アルバイトはマクドンタッキーでと家庭教師と居酒屋を転々と。なかなか一つのものが長続きしなくて……。サークルもテニスサークルで飲み会の幹事くらいしかやってないです。あと、旅行サークルとイベントサークルにも大学二年生の時まで幽霊サークル員をやっていました。ゼミではマーケティングをやっていましたが、実際は何もわからないです。」
キラキラ大学生「典型的な”ダイガクセイ”って感じだね（笑）」
就活生「クソみたいな感じですよね。」
キラキラ大学生「まあ、クソだね！」
就活生「素直に同意されると傷つくんですけど！！！！」
キラキラ大学生「とは言いつつも、僕も似たようなものだったよ。」
就活生「そうなんですか？じゃあどうやって……」
キラキラ「君の経歴を例にとって教えてあげよう！全ては言い方の問題なんだ。」
・第一志望に落ちて中堅私立大に→初めから中堅私立大に行きたくて、一つ大きな目標を設定して頑張ることにより見事合格！
・一つのものが長続きしなくて→好奇心が強くていろんなものに取り組む
・テニスサークルで飲み会の幹事くらいしかやってないです→誰もやりたがらない飲み会幹事を率先してやった
・ゼミではマーケティングをやっていましたが、実際は何もわからない→簡単な専門書を一冊読みこんで「ゼミでの参考書の他に自分で専門書を買い、学びを深めました！」
就活生「わあ！なんか良い感じに見える！！嘘もついてないし、凄い！」
キラキラ大学生「だろ？この『良い感じ』っていうのがキモなんだよ。ダメな部分は聞かれるまで隠しておけばいいんだよ！」
就活生「そうなのですね！よ～～し！企業を騙して内定ゲットだ！うひひひひひひひｗｗｗｗｗｗｗ企業は気づかないんだろうなｗｗｗｗｗｗｗｗｗうひひひひひｗｗｗｗｗｗｗｗ」
企業サイド
企業「さ～～～～てさてさてさてさてｗｗｗｗｗｗｗｗやってまいりました採用の時期ｗｗｗｗｗｗ」
採用「そっすね」
企業「今年も沢山の優秀そうに見える学生を採用して、そのなかの一握りの本当に優秀な学生を幹部候補として育てるぞ～～～ｗｗｗｗｗｗｗｗ」
採用「じゃあまずは、おさらいとしてうちの会社の概要について列挙してみますか」
企業「おｋｗｗｗｗｗえーと、そこそこ大きな広告会社で、正社員：契約社員＝2：8。もちろん教育は優秀な正社員じゃなくて、現場の契約社員にやらせてる。人件費削減！残業は一応無いことになっているけどみんな残ってるよ～～～ｗｗｗｗｗ理念としては「新しさ」とかを掲げているけど、会社が大きくなったから完全に縦割り！仕事も昇進した人以外は契約社員と同じ仕事しかしないけど、正社員だから仕事量だけは多いよ。年間給与もボーナスの割合が大きいから、実際はこんなにもらえない人もｗｗｗｗｗｗｗ」
採用「そのまま伝えたら絶対に募集きませんよね。じゃあ以下のように変えましょう」
・正社員：契約社員＝2：8→選考では正社員としか会わせないで、なるべく社員比は伝えない。
・残業は一応無いことになっているけどみんな残ってる→会社としては残業を無くす方向に動いているってことにしよう
・理念としては「新しさ」とかを掲げているけど、会社が大きくなったから完全に縦割り→新規事業立案のフローとか体験してもらって、勝手に「新規感」ってのを感じて思い込んでもらおう
・仕事も昇進した人以外は契約社員と同じ仕事しかしないけど、正社員だから仕事量だけは多い→昇進した人だけを説明会に呼ぼう。OB・OG訪問もしかり。
企業「ほお、結構ザックリとだけど、隠せたねｗｗｗｗｗ」
採用「でしょ？これならそこそこ募集きそうですよね」
企業「おｋｗｗｗｗｗｗｗｗ学生は気づかないんだろうなｗｗｗｗｗ」
採用「ダメな部分は聞かれるまで隠しておけばいいんですよ」
企業「うっひひｗｗｗｗｗ」
ラスト。新入社員サイド
ドンヨリ新入社員「無能な上司を追う前に言っておくッ！おれは今無能な上司のスタンドをほんのちょっぴりだが体験した。い……。いや……。体験したというよりはまったく理解を超えていたのだが……。あ……ありのまま 今起こった事を話すぜ！『おれは企業を騙して優良企業に入社したと思ったら、いつのまにか騙されてブラック企業に入社していた』な……何を言っているのかわからねーと思うがおれも何をされたのかわからなかった……。頭がどうにかなりそうだった……。催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……」
完
