じゃっくんろーる!

ゆるく生きてます

〈君の名は。〉終わった瞬間心の中で絶叫しながらガッツポーズの最高の出来。

天気の子のレビューもしました。
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個人的な今期一番は「君の名は。」です。
最高すぎました。

冒頭だけネタバレ無しだけど、後半はネタバレしかないので未読の方はここらへんで退場しておいた方が良いです。

まずネタバレ抜きに感想を述べると、「もう色んな意味で本当によかったぁぁぁあああ!!!!!よっしゃぁぁあああ!!!!これだよおおおおお!!!!(絶叫)(ガッツポーズ)」です。

これが自宅で1人で観ていたなら、絶叫しながら全裸になってRADWIMPSが今回のために書き下ろした「前前前世」を聴いて頭を激しく振りながら米を食べては吐き出し食べては吐き出しを繰り返す狂気の儀式を開始するところです。
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ちなみに今ぼくは曲を聞いて米を食べながらこれを書いています。

以下では3回観たあとに色々まとめました。あとで読んでみるとまた補完できて良いです。
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映画を観終わったら各所の伏線を公式のサイドストーリーで拾えます。
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では以下ネタバレあるので注意です!


本当に↓にネタバレあるからね!!








はやく戻ってね!!!!!









はい。


ハッピーエンド/バッドエンド

やりました!!!まごうことなきハッピーエンド!!!
一瞬勘違いしかけましたが、ハッピーエンド!!
本当によかったです。

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ラストの外苑前の歩道橋ですれ違うシーンではお互いに絶妙なタイミングですれ違ってしまい、「ああああああ!!!!結局こうなるんだな!!!!時間ってさ、時間って本当に無情なんだな!!!!!ちくしょう!!!俺はまた新海作品で心に大きな穴を開けられるんだ!!!!心に!!!穴があああああ!!!!!!!瀧!!三葉!!!頼む!!振り向け!!!もう一度!!!ワンスアゲイン!!!!」と心の中で死にかけていました。
僕と同じ心境だった人は多いんじゃないでしょうか。
かなり本格的にこの瞬間に僕は諦めかけていました。

し か し!!
なんかまだ続くぞ!!!!

そ し て!!
電車あああああ!!!!中央線と中央総武線んんんん!!!!目があったあああああ!!!!
即降りたああああ!!!瀧くん新宿から走るううううう!!!三葉千駄ヶ谷から走るううううう!!!!
北参道周辺んんんんん!!!!!

会 え た!!

最高です!会えたんです!!
この瞬間に僕は心の中で絶叫&ガッツポーズ。

新海監督はパンフレットの中で書いていますが、秒速5センチメートルの時には「ハッピーエンド/バッドエンドという考え方をしたことはなかった」んですね。
世間的には圧倒的にバッドエンドという風潮が強かった秒速ですが、そこがきっかけでどうしたら自分の伝えたいことがつたえられるのか、ということを考え直し、「次こそはもっと言いたいことをストレートに語れるんじゃないか、伝えられんじゃないかと思えてきたのが『君の名は。』を作り始めたタイミングだったんです。」とのことで、もう本当に最高。時間って無情だけど最高。

今回は本当にハッピーエンドでした!!

思い返せば、友達に勧められて「あ、青春アニメ映画か!いいねえ!」と軽い気持ちで秒速を観て心を抉られた高校生の夏。
あれから長い長いときが経って、やっと、やっと求めていたものが手に入った!!!そんな感覚です。
最高。

ラスト、ムスビ

ただ、個人的にはもう少しラストにインパクトがあっても良かったかなと思ったりもしました。
組紐が今回の世界観をよく表しているなと感じていて、せっかく三葉から瀧に渡り、8年前に時間を超えて瀧から三葉に返された組紐が大人になった現代でもまだ三葉は髪に結んでいるのだから、それを使わない手はないんじゃないかと思ったりもしました。

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ラストで使うなら例えばこんな感じ。(ちょっと長い)
>>
驚いた。階段の上から、息を切らした女性が俺を見下ろしていた。電車の窓越しに目があった、あの女性だ。
見覚えがある。確かに俺はこの女性に見覚えがある。でも、いつ、どこで会ったのか、わからない。
自然と足が彼女の方へ向かう。彼女も近づいてくる。
見覚えがあるのに、思い出せない。俺の勘違いかもしれない。妄想かもしれない。
ダメだ、目が合わせられない。足は止まらない。もう、声をかけるタイミングを失ってしまった。このまま、すれ違ってしまうんだろうか。
俺は何かにすがるように、何かを掴み取ろうとするかのように、無意識に手のひらに視線を落とす。
腕には今は就活用の時計なんかつけているけど、昔は組紐なんかつけていることもあったな。変なことを思い出すものだ。組紐か……。
完全にすれ違おうとしていた彼女の存在が意識に戻ってくると同時に、前からは見えなかった後ろムスビの髪の毛に組紐が巻かれているのに俺は気付いた。……組紐
「……あ」
声が、出てしまった。何も話すことなんて考えていない。
俺の声につられて、彼女もこちらを見返してくる。なぜかすがるような表情をして右手だけを強く握りしめている彼女。
もうこうなったらヤケだ。どうとでもなれ。
「俺、どこかで君とあったことがある気がするんだ!く、組紐!俺、君のつけている組紐とそっくりなものを、誰に貰ったのかは思い出せないんだけど、つけていたことがあるんだ!」
何を話しているのかわからない。でも言葉は溢れてくる。何か、つかめそうなきがするから。
「昔、本当に昔、思い出せないんだけどさ、俺……大切な人に……」
言葉につまる。絶対に変な奴だ、俺。何もつかめやしないじゃないか。空っぽのままの左手をまた、無意識に見つめてしまう。
「私も……」
不意に彼女の声が俺の鼓膜を打つ。
「私も、あなたに会ったことがある気がするの!」
きつく握られていた彼女の右手が緩む。
「この組紐は」
その手で、彼女は組紐をほどいてみせた。
「私ももう昔のことで忘れちゃったんですけど、でも、とっても大切な人が遠くから私に会いに来てくれた時の思い出なんです」
言いながら、彼女は優しそうなその眼差しを右手に落とした。瞬間、風が吹き、組紐が舞う。
「危なっ」
結局飛びはしなかったものの、とっさに差し出した俺の左手は組紐の端を掴み、その反対を彼女が掴んで……。
『夢を見ておるな?』『彼たわれ時、この世ならざる者に出会える時間』『デートが終わる頃には、ちょうど彗星が見えるね』
聞きなれない声が記憶の中でこだまする。
『お前さぁ、知り合う前に会いに来るなよ・・・分かるわけねえだろ』
俺の声だ。記憶にない、俺の声。
『・・・言おうと思ったんだ。お前が世界のどこにいても、俺が必ず、もう一度逢いに行くって』
違う、記憶に、ある。ここに、ある!
『目が覚めてもお互い忘れないようにさ』
名前を……。
『名前書いておこうぜ』
左手が熱くなる。
彼女を見る。
彼女も俺を見ている。
左手じゃない、握っている組紐が熱いんだ。組紐を手に置いたまま、左手を開く。手のひらには、見慣れない黒い線。でも、知っている。これは。
「……んないよ」
彼女が口を開く。泣いているのか笑っているのかわからない表情で。
俺もきっと同じ表情だ。思い出した。一つを除いて、全部思い出した。
「『すきだ』じゃ、名前覚えらんないよっ!!」
彼女の手には、俺が伝えたかった三文字。この線は……。君は……。
それじゃあ、チリヂリになった糸をまた組み直そうか。
「「君の名前は」」
<<

とかでも良かったかなって思います!!
(長い)

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ああああ、もう本当に良い!!

※追記
3回見たらやっぱり映画のラストが一番しっくりきました。
<君の名は。>が良すぎて1週間で3回観て色々まとめてみたよ。 - じゃっくんろーる!
というのも、やはり物質的・物理的な繋がりではなく、目に見えない心の繋がりというものの強さを表現するのが新海監督の強みだなと思うので。
なので、まさにRADWIMPS前前前世の歌詞にもありますが、「心が体を追い越して」いる感覚があのラストにはありました。
体はどんどん動いてすれ違ってしまうけど、それでも心がきちんと動きましたよね。う〜む。

同様に、作中のスパークルの使い方が良すぎて、後半「愛し方さえも~」のところを聴くたびに鳥肌ですよ。
ちょうど「すきだ」と書いてあるのを見るシーンの部分です。
名前よりも伝えたいことがある、ってすごく素敵な表現の仕方ですよね。
ここにも「名前とかそういう物理的なものではなく、心で!心でつながっているんですよ!心って最強なんですよ!!」っていうメッセージが込められていそうでグッときます。
※追記終わり

5年経過させた意味

最後、突然時間がぶっ飛んで「いやいや、経過しすぎでしょ……」と思いました。
でも、これは、新海監督なりの「一目惚れ」の説明なんじゃないかって思うんですよ。

たまに過去を思い返すと、「なんであの時、あんなことに夢中になっていたんだろうな」っていう時期や事柄が何個かあったりするじゃないですか。
理由はもう覚えていないけど、一時期凄くオムライス作りに執心していたな、とか。

これって、実はみんな夢の中で瀧くんとか三葉ちゃんみたいなことをしていて、でも忘れちゃったからこうなってるんじゃないの?的な。
そんな夢のある妄想をしてみたり。

で、その相手と時が経ってから巡り会うと、それが一目惚れになるんじゃないでしょうかっていう説明。

どうかはわかりませんが、個人的に勝手にこう解釈して「ああ〜最高じゃ〜」と妄想に浸っていました。
きっと僕にも世界のどこかに最高のオムライスを共に目指し切磋琢磨した女の子がいたはず。

良いね。

伝えたい事。初めは自然賛歌モノなのかと思った

初めは本当にそんなかんじなのかなと思っていました。
東京の喧騒と糸守町の雄大な自然の対比とか。
瀧くんが糸守町の絶景に見とれている描写とか、背景美術が美麗すぎて僕も見とれてしまいました。

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電車の使い方も面白くて、糸守町では「2時間に1本だもんな〜」という会話とともに線路が映し出されるだけでしたが、東京が映るときには空撮でバンバン電車が映る。新宿駅では電車が発車すると同時にホームに電車が入ってくる。すごい。電車の描写だけでお互いのいる場所がどんなに違う場所なのかがわかる。

あと、「デートが終わる頃には彗星が見えるね」「彗星?何を言っているんだ」のところも最初はテーマに沿った対比なのかと思っていました。
東京は明るすぎて彗星なんかちゃんと見えないよ!ってことなのかなと。

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まっっっっっったく違いましたけど!!!
「時間がずれている!」「そっちの展開だったかーー!!!!」
となりました。

でも背景美術は相変わらず最高に凄まじく綺麗でした。凄い。

結局のところ、伝えたいことは「心は時間も距離も超越する、人の持つ最高の希望なんじゃ」っていうことですね。
一貫しています。素晴らしい。

気になったところ

奥寺先輩の立ち位置がよくわからん

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ここがちょっとだけ引っかかりました。
なんで旅行についてきてんの!?そんなに仲良しだった!?しかも司くんも!?どゆこと!?ってなりました。
しかしながら、あの旅行に奥寺先輩の存在が必要不可欠だったのも確かで、「そういう交友関係!」ということで強引に納得しました。

「抜け駆けしたな!?」とか言われていたくせに、めっちゃ仲良しじゃん!

雪野先生!?

完全に引っかかりました(笑)ユキちゃん先生!
花澤香菜だし!!これ『言の葉の庭』の雪野先生じゃん!!え、繋がるの!?まじ!?どういうことだ!!」
とワクワクしながら観ていたのですが、見事にただのちょい役でした。
でも、パンフレットにはきちんと「雪野由香里その人」と書いてあり、二段構えでテンションマックス。
どういう裏設定があるのか気になりますうううううう!!!

はじめから電話しろや

……って思うじゃないですか!?
でもこれが難しいところなんですよね。
真っ先に「俺だったら絶対にすぐ直接連絡取っちゃうな」って思ったんですけど、でも連絡を取ったら物語が成り立たなくなっちゃう!絶妙!
とか思ったんですけど、よ〜〜〜く考えてみたらお互いの連絡は日記であったり落書きであったりできちんと取り合えているわけで、高校生の思春期の二人が「じゃあそこから直接連絡とろうか」っていうところまで踏み込めるかっていうと、冷静に考えてみて「あ、やっぱ直接連絡は緊急事態にならないととろうと思わないな」と思うんですよね。

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難しいところですが、しかしながらどういう理由で本当は二人が直接連絡をとるに至らなかったのかは気になるところです。

もう少し知りたかったところ

100分という中に膨大な情報量を詰め込んでいるので話の筋に関係ないところまで描く必要はないのですが、個人的に観てみたかったところが何箇所があります。

瀧くん無双

まず、瀧くんが三葉の体の中に入っている時の「俺TUEEEEE」っていう無双ですね。もう少し細かく書いて、DQN(死語)3人組がどう撃退されたのかが観てみたかったです。
だって、スポーツもできて絵もめちゃくちゃ上手くて、学力も(設定的にはおそらく都立新宿高校なので)結構良いはず。行動力もあるので、そりゃもう楽しいお話がみれたに違いないですね。

恋愛事情

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勅使河原と名取ちゃんの恋愛もみたかった〜!
はじめは「三葉←勅使河原←名取」っぽかったのが、どうしてラストで勅使河原と名取が結婚するまでになったのか、とか!
そもそも「俺は普通にここに残るんだと思うよ」と言っていた勅使河原が東京に出てきているのか、とかとかも!
結構気になる。

父子関係

ここ、結局最後まで三葉と三葉父の関係改善が描かれないまま終わっちゃいましたよね。
無事に町民避難は行われたみたいなので説得はできたのだと思うのですが、その後の家族関係であったりとか、今後の糸守町とかとか、どうなっていくのか非常に気になったところです。
ちなみに瀧くんも父子家庭でしたよね。ここの関係性も作中では「良好だけれども結構ドライ」な感じに描かれていたので、どういうストーリーがあるのか気になるところでした。

入れ替わりの弊害

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入れ替わったらおっぱい揉み揉みしたいの凄くわかる!!!!!!
「お姉ちゃん、本格的にやばい。アレはやばい。やばい」(わかる)
しかしながら、週に2〜3回という結構な頻度かつ長期間に渡って入れ替わりが発生したわけなので、例えば女の子の日とかそういうイベントが必然的に起こってきていたと思うんですよね。
今回のお話のテーマはここにはないので描写はなくて問題はないのですが、やはりこういうところ気になります。
入れ替わりものの大きな障壁ですからね。

音楽と声

まず、音楽最高すぎでしょ。
歌も音も、全部RADWIMPSが作っています。
世界観の統一具合が非常に良い。
音楽を全力で楽しむためだけに立川シネマシティの極上爆音上映で鑑賞することを強くお勧めします。
本当に良い。

あと、神木くんの演技と上白石さんの演技が非常に良かったです。
特に入れ替わりをしているときのお互いの演技が良い。
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全く違和感なく「あ、瀧くんの身体に三葉ちゃんが入ってる」「瀧くん無双の三葉ちゃんだ」と理解できました。
パンフレットで新海さんも語っていますが、入れ替わっている状態でシリアスな演技をしなければいけない、ってかなり難しいんですよ。
全く違和感なかったです。お二人ともとても素晴らしい。

東京の男子高校生

最後にこれだけは書いておきたいんですけど、東京の男子高校生は頻繁に男子だけでお洒落カフェには行きません
大学生ですらあんなに頻繁に行きません。すごい女子力ですよ彼らは。
あと、瀧くんがハイスペックすぎる。なんで無い内定なんだ。大学で一体何があった。


そんなかんじで、まだ色々と語れる部分があると思うので、明日またレイトショーで観てきます!!
本当に良かった。
こんなに良い作品は久しぶり。ストーリーも絵もキャラクターも音楽も、そして作品の背景にあるものも、全部が最高に組み合わさった、本当にまさに組紐のような作品です。
多くの人に観てもらいたい!!!

後日さらに2回観て以下で色々補完しているので合わせて読んでみてください。
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また、映画を観終わったら各所の伏線を公式のサイドストーリーで拾えますので是非!
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ではでは今日はこのへんで。

ば〜い!